二酸化チタン(TiO₂)ターゲット

二酸化チタン(TiO₂)ターゲット
二酸化チタン(TiO₂)ターゲット

物理蒸着(PVD)などの技術により機能薄膜を製造する核心材料であり、エネルギー、電子、環境保護などの分野に広く応用されている。

 

1.特性

 1)高融点と安定性

•融点は約1843°Cであり、高温では化学的性質が安定しており、高温プロセス(スパッタコーティングなど)に適している。

•耐酸アルカリ腐食性で、劣悪な環境下のコーティングに適している。

 2)優れた光学性能

•高屈折率(~ 2.4 ~ 2.7):光学用(例えば、増透膜、高反転膜)に適している。

•広帯域ギャップ半導体(バンドギャップ〜3.2 eV):紫外光に敏感で、光触媒と光電変換の潜在力を兼ね備えている。

 3)環境保護と触媒特性

•強い光触媒活性、有機汚染物を分解でき、自己洗浄、抗菌コーティングに用いる。

•環境に優しく、無毒無害で、グリーン材料の需要に合っている。

 4)電気的性能調整可能

•Al、Siなどの添加により抵抗率を調整し、タッチスクリーンなどの透明導電性フィルムに使用する。

 

2.主な用途

 1)エネルギー分野

•太陽電池:色素増感太陽電池(DSSC)の透明電極に用い、光電変換効率を向上させる。

•ペロブスカイト電池の電子輸送層材料として、安定性を高める。

•光触媒水素製造:光触媒分解水を用いてクリーンエネルギーを製造する。

 2)電子部品

•光学コーティング

・反射防止膜(眼鏡、レンズ)、高反射鏡(レーザ素子)を製造する。

・OLEDにおける透明導電電極

•半導体装置

 3)環境保護と建築

•セルフクリーニングコーティング:抗菌材料

 4)その他

•日焼け止め製品:ナノTiO₂は日焼け止めクリームに用いられ、紫外線を吸収する。

•セラミックスと塗料:材料の硬度と耐候性(自動車塗料など)を強化する。