錫(Sn)ターゲット

錫(Sn)ターゲット
錫(Sn)ターゲット

薄膜堆積プロセスに広く応用される高純度材料であり、特にマグネトロンスパッタリングと物理蒸着(PVD)技術において重要な地位を持っている。

 

1.特性

 1)高純度

・Snターゲットは通常純度が99.9%以上に達し、半導体、光学膜などの材料純度に対する要求が高い応用を満たすことができる。

 2)良好な導電性

・錫(Sn)は優れた導電性を有し、ITO薄膜の製造などの透明導電膜に適している。

 3)優れた光学性能

・錫(Sn)フィルムは可視光と赤外線帯域において高い透過率を有し、光学コーティングと反射防止膜に適している。

 4)化学安定性

・錫(Sn)は常温で酸化しにくいが、高温または特定の環境下でSnO₂を形成することができ、特定の機能薄膜の製造に適している。

 5)カスタマイズ可能性

・Snターゲットのサイズ、形状、厚さは、円形、正方形、特殊形状ターゲットなどの用途のニーズに応じてカスタマイズすることができる。

 

2.主な用途

1)透明導電膜(TCO)

  Snターゲットは酸化インジウムスズ(ITO)薄膜の製造に使用でき、タッチスクリーン、液晶ディスプレイ(LCD) 

  及び太陽電池に広く応用されている。

2)太陽電池

  Snベース薄膜は太陽電池のバック電極またはバッファ層に使用でき、光電変換効率を高める。

3)光学膜

  減反射膜、赤外反射膜及び光学フィルタを製造し、レンズ、レンズの光学性能を高めるために使用する。

4)半導体製造

  集積回路(IC)及びマイクロエレクトロニクス装置において、Sn薄膜は金属化層又はバリア層に用いることができる。

5)電磁遮蔽と吸波材料:最新の研究により、Snウイスカ構造は電磁干渉(EMI)遮蔽とマイクロ波吸収(MA)材料として用いることが可能 

  と明らかになった。

6)装飾と機能コーティン

  例えば建築ガラスの低放射(Low-E)コーティングと工具の耐摩耗コーティング。