酸化インジウム(In₂O₃)ターゲット

酸化インジウム(In₂O₃)ターゲット
酸化インジウム(In₂O₃)ターゲット

重要な機能材料であり、独特の物理化学的性質を持ち、多くのハイテク分野に広く応用されている。

 

1.特性

 1)電気的性質

・純In₂O₃はn型半導体であり、禁制帯幅は約3.5−3.7 eVであり、添加後の抵抗率は10⁻⁴ Ω·cmまで低くすることができる。

・透明導電性薄膜の製造に適した高キャリア移動度。

 2)光学性能

・可視領域(380〜780 nm)の透過率>85%、赤外領域の反射率が高く、紫外領域の吸収が強い。

・光学コーティング設計に使用できる屈折率約2.0。

 3)熱学と機械性能

・融点は約1910°Cであり、熱膨張係数はガラス基板と整合し、高温堆積プロセスに適している。

・高硬度(モース硬度6-7)であるが、脆性が大きく、慎重に加工する必要がある。

 4)化学的安定性

・耐酸アルカリ腐食性、常温で水及び有機溶媒に溶解せず、高温で強酸と反応することができる。

 

2.主な用途

 1)透明導電性フィルム(TCF)

・応用分野:タッチパネル(スマートフォン、タブレット)、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED、太陽電池電極。

・利点:従来の金属電極に代わる高透光率+低抵抗。

 2)太陽光発電分野

・CIGS、ペロブスカイト電池などの薄膜太陽電池用の透明なフロント電極により、光吸収と電流収集効率を向上させる。

 3)省エネコーティング

・建築ガラスLow-Eめっき膜:赤外線を反射して室内温度を調節し、エネルギー消費を低減する。

 4)ガスセンサ

・CO、NO₂などのガスに敏感であり、環境モニタリングや産業安全装置に使用される。

 5)特殊機能コーティング

・帯電防止コーティング:電子機器スクリーン、電磁防止遮蔽膜。

・曇り防止コーティング:自動車用ガラス、カメラレンズ。