GeとTeの化合物スパッタリングターゲットであり、主にマグネトロンスパッタリング(PVD)、電子ビーム蒸着などの薄膜蒸着プロセスに
用いられる。
その独特な相転移特性、熱電性能、強誘電性などの物理的性質は、相転移メモリ、熱電変換、赤外線探査、リチウムイオン電池などの
分野で重要である。
1.特性
1)相転移特性
・GeTeは結晶(α−GeTe)と非晶質(β−GeTe)の間で急速に変換でき、相転移温度は約725°Cであり、相転移記憶(PCRAM)応用に適し
ている。
・相転移過程における抵抗率の変化が顕著であり(〜3〜4桁)、高密度記憶装置に用いることができる。
2)熱電性能が優れている
・高温熱電材料中で突出した(ZTは2.0以上に達することができる)比較的高い熱電特性(ZT値)を有する。
・In、Bi、Cuなどの添加によりキャリア移動度を最適化し、熱電変換効率を向上させることができる。
3)狭バンドギャップと高キャリア移動度
・バンドギャップは約0.6 eVであり、赤外線検出用途に適している。
・高速電子デバイスに適した高キャリア移動度(~ 100 cm²/V・s)
4)強誘電性とスピントロニクスの応用
・強誘電性を有し、不揮発性メモリ(FeRAM)に使用できる。
・スピントロニクスにおいてスピン軌道結合効果を示し、新規な記憶及び論理デバイスに使用することができる。
5)高純度と調整可能成分
・工業用GeTeターゲットの純度≧99.99%、ハイエンド用途(例えば半導体)は99.999%以上に達することができる。
・Pb、Bi、Inなどの添加により電気的及び熱的特性を最適化することができる。
2.主な用途
1)相変化メモリ(PCRAM)
・結晶−非晶質抵抗の差異を利用してデータ記憶を実現し、高速、低消費電力、高耐久性などの利点がある。
2)熱電変換素子
・廃熱発電、固体冷房に使用され、航空宇宙、自動車廃熱回収などの分野で応用可能性がある。
3)外線検出器
・狭帯域ギャップは赤外線検出に適しており、夜視、熱画像化などに使用できる。
4)リチウム/ナトリウム/カリウムイオン電池負極材料
・単層GeTeは高い理論比容量(Li:535.4 mAh/g、Na:669.2 mAh/g、K:1070.72 mAh/g)を有し、高倍率電池に適している。
5)スピントロニクスと量子計算
・スピン軌道結合デバイス、トポロジー量子計算材料の研究に使用することができる。
3.最新の開発傾向
・n型添加最適化:Bi、Inなどの添加による熱電性能の向上。
・フレキシブルGeTeフィルム:着用可能な熱電デバイス用。
・量子ドットGeTe:高効率光検出器用。
株式会社ターゲットテック
大阪府大阪市淀川区西中島6丁目3番32号
第2新大阪ビル 707号室
TEL: 06-6-6732-9818
FAX: 06-6-6732-9819
MAIL: ken@ttcm.co.jp
Target-Tech Co. Ltd.
6-3-32 Nishinakajima, Yodogawa-ku, Osaka 532-0011, Japan,
No.2 Shin-Osaka Bldg. Room#707
TEL: +81-6-6732-9818
FAX: +81-6-6732-9819
MAIL: ken@ttcm.co.jp